複数概念体系間の関連性発見のための比較と重ね合わせの手法に関する研究

伊藤 英毅 (9851009)


多くの概念体系が我々の日常生活で利用されている。その中には、同一の分野を 対象とした形式や目的の異なる概念体系も多数存在し利用されている. これらの複数の体系を統合して利用することで,情報の補完(ないものが見つか る),発想の転換(ない視点が見つかる)等が期待できる.この統合化において は体系間の相違や類似等の関連性を発見することが重要となる.そこで,本研究 では分類体系間の(1)比較と関連付け(2)重ね合わせの手法について示し, 実際に利用されている商品分類体系を利用して適用評価を行った.分類体系間の 関連付けでは一致度と網羅度というパラメータを導入する.一致度は比較した分類 カテゴリ間の類似関係を表し,網羅度は比較した分類カテゴリ間の概念の上位下位 関係を表す.重ね合わせは,個々の分類カテゴリを関連付けで得た一致度と網羅度 及び分類体系の構造に基づいて,比較した分類体系との相対位置を調べる. これらの手法を用いて商品分類体系の比較と重ね合わせを実施し,複数体系間の関連発見 への手法の妥当性と分類体系の特徴となる構造的視点と意味的視点の考察を示した.