弱い知識構造を用いた人間とロボットとのインタラクションに関する研究

内田 恵久(9651013)


本研究は、オフィスのような人間のいる環境において、備品のようにその存在場所が 変化するものの位置を特定できるようなロボットを実現することである。

この目的のために、ロボットがすべてのものの位置を把握するというのは困難である。 そこで本研究では、ものの位置というのはそのものの性質によって、おおむね使用す る人が決まっているという仮定のもとで、ものを探す際にそのものに関係のある人の 場所を探すという方法を用いる。

そのものの性質によってどのような人がそれを使用するかという知識は、人間が普段 の生活を通して獲得していったものである。このような人間の背景知識を記述する方 法として弱い知識構造をもちいる方法がある。この知識構造を用いることにより、人 間は容易に背景知識をロボットに対して与えることができ、ロボットはものを探す行 動の知識とすることができる。

本研究では実際に、人間の背景知識をもつロボットを実装し、評価を行なった。ロボ ットが人間の背景知識を用いることにより、ものの位置の変化に対応することができ ることを確認した。